14歲棋手的凌厲攻擊

2017.4.30『天聲人語』?１４歳棋士の快進撃

公開中の映畫「３月のライオン」の主人公は１０代の棋士だ。家族を交通事故で失うも、中學在學中の１５歳でプロとなる。孤獨と不振を乗り越え、棋界のトップに挑戦する。

正在上映的電影《三月的獅子》，主人公是一個十幾歲的棋手。交通事故奪走了家人，也沒有阻礙一個在學中學生、十五歲的他成為職業選手。戰勝了孤獨與低迷，向著棋界的頂峰發起挑戰。

親子ほど年の離れたベテランを、涼しい顔で打ち負かす。その姿を映畫館の客席で見て思い浮かべたのは中學生棋士、藤井聡太四段である。昨年暮れ、６２歳上の加藤一二三（ひふみ）九段を打ち負かした。非公式戦とはいえ、棋界の第一人者羽生善治三冠も破った。現実がフィクションを追い越してしまった。

面對和自己年齡相差如父子的老前輩，若無其事地將其斬落馬下。在電影院的觀眾席上看到這一幕，我想起了中學生棋手藤井聰太郎四段。去年歲末，他戰勝了比自己年長62歲的加藤一二三九段。又在一場雖為非正式的比賽中，擊敗了棋界的第一人羽生善治三冠王。現實超越了虛構的故事。

愛知県瀬戸市の中學３年生。５歳で祖母に駒の動かし方を教わり、小４で棋士養成機関の奨勵會に入る。史上最年少の１４歳と２カ月でプロに。「タイトルを取りたいが、いまはまだ棋力をつける時期。もっと精進して強くなりたい」。受け答えも頼もしい。

愛知縣瀨戶市的一名初三學生。5歲跟祖母學習棋子的走法，小學4年級進入了棋手育成機構的獎勵會。14歲零2個月成為史上最年少的職業棋手。「我當然想取得比賽的冠軍，但現在還是積聚棋力的時期。我要狠下功夫變得更強」，回答提問時也是這般地擲地有聲。

ふだんは、學校から帰ると朝日新聞を開く。時事問題に関心があり、お気に入りは「特派員メモ」や「患者を生きる」と聞くと、新聞を作る側としては勵まされる。愛読書は司馬遼太郎や沢木耕太郎だそうだ。

平時，放學一回家就翻開《朝日新聞》。聽說他關心時事、喜愛《特派員記錄》和《與病患奮鬥》，讓我們這些報人都倍受鼓舞。他還喜歡司馬遼太郎和澤木耕太郎等人的書。

その沢木氏に「神童天才凡人」という短編がある。神童と言われた中原誠十六世名人が高校時代に直面した苦悩を描く。勝負の世界ではどんな逸材も一度は壁にぶつかる。乗り越えた者だけが真の天才と呼ばれるのだろう。

澤木寫有一個短篇《神童 天才 凡人》，描寫了被稱為神童的中原誠十六代名人、在高中時代遇到的痛苦。在棋界這個以勝負決定一切的天地里，不管擁你有怎樣的卓越才能，都會有碰壁的時候。只有超越了失敗，方才是真正的天才吧。

破竹の勢いの藤井四段だが、いつかはつまずく日もあろう。映畫の主人公も失意の淵（ふち）をさまよった末に再起する。タイトル戦に挑む目は、冬に耐えた者特有の光をたたえていた。

藤井四段如今是勢如破竹，但也會有折戟沉沙的一天吧。影片的主人公也在失落深淵的徘徊中奮然再起。那挑戰冠軍賽的眼睛裡，充滿著經歷過嚴冬考驗的人特有的光芒。