隱性用語特徵分析
ドラマからみる女性語の特徴
--終助詞を中心に
序論
女性語は學柄的に女性の使用することば全體をさすが、狹義には男性語と差異の著しい女性特有の語をいう。女性語の使用は女性ステレオタイプ特性の臆病、內向性、好感や社交性の印象を強める効果がある。女性語の特徴がたくさんある。例えば、女性語には、俗語を避け、命令形を使わなく、お台所といった美化語と主観的評価を伴う形容詞をよく使うという特徴がある。
研究目的:
女性語の特徴がたくさんあるけれども、私たちは主に女性語の終助詞を中心にして検討してみた。
研究方法:
主人公は年が違う女性であるということを前提にして、三つの現代一般人の生活を背景にするドラマを探す。この三つのドラマの主人公は順番に青年、中年と老年に分けられる。そして、10代から50代の年齢別にドラマの中で女性終助詞を使っている台詞を探し、年齢や場面に分けて整理する。 また、整理したものを基づいて、違う年の女性が使う終助詞の特徴をそれぞれまとめる。最後に、ドラマからみる女性語の終助詞の特徴を明らかにする。
先行研究:
中村純子(2000)の「終助詞における男性語と女性語」によると、用法によって想定される使用者が異なれば、同じ終助詞でも男性語、女性語が異なるという。男性語、女性語で終助詞の用法に異なりが見られるのは、例えば次のような例がある。「頑張るぞ」は通常男性語と思われるが、これは獨話の場面で自分を鼓舞するために用いれば、女性でも自然に使用できる。また、母親が子ともに向かって「今晩はごちそうだぞ」というような場面も自然であると述べた。水本光美(2007)の「主張度の強い場面における女性文末語使用ー実際の會話とドラマとの比較」によると、多くの日本語教科書のカジュアル會話において、女性の文末詞は男性の文末詞と対比的に導入され、年代、國籍にかかわらず性別による話し方の違いが存在すると記述していることは、実生活での女性文末詞使用の実態とは乖離が見られることを指摘している。
本論
偏差値が44の駒形大學付屬男子高校と偏差値が60の聖三島女學院が合併して、數ヶ月前まで目も合わなかった生徒たちが先生たちの努力を通じて、文化祭を一緒に行うということを述べた。(註:主人公は主に10代)「ごめんね、青春」(2013年)
30歳の柴田ミチコが勤めていた會社は半年前に倒産した。彼女は急に無職になって、お金も家もなくなった。ある日、以前の會社の上司黒沢と偶然出會った。喫茶店のマスターを擔當している黒沢はミチコのひどい境遇を不憫に思い、ミチコをアルバイトとして雇いた。これをきっかけにミチコの新しい生活が始まった。
(註:主人公は30代)「ダメな私に戀してください」(2015年)
このドラマは五回があって、それぞれ五人の老年生活をめぐって、違うストーリーを述べた。55歳になった5人の生活には夫婦関係に関する問題とか生きていく勇気を失うこととかが起こった。結局、この五人が頑張り続ける自信を見つけて、55歳からのハローライフが始まった。
(註:主人公は50代)「55歳からのハローライフ」(2014年)
違う年の女性が登場する「ごめんね、青春」(2014)、「ダメな私と戀してください」(2015)、「55歳からのハローライフ」(2014)、この三つのドラマを研究対象にし、10代から50代の年齢別にドラマの中で女性終助詞を使っている台詞を探し、年齢や場面に分けて整理した。
表1 研究対象とした三つのドラマから収集した女性終助詞の使用數
表を見ると、「ごめんね、青春」は10代の若者の生活を中心に描いたドラマで、女性終助詞の使用回數はもっとも少なかったということが分かる。また、「55歳からのハーロライフ」は50代の人の老年生活をめぐって描かれるドラマで、女性終助詞がもっとも頻繁に使われていたということも分かる。また、10代女性が多く登場する「ごめんね、青春」と30歳の美智子の戀愛ストーリーを述べた「ダメな私と戀してください」の中で、「ぞ」がそれぞれ一回に使われるという點が注目すべきだと思う。「ぞ」がもともと男性語として使用されていたが、いま女性もこの男性言葉を使っている。今の日本社會では、言葉で男女差を判斷するのがますます難しくなっているのではないでしょうか。しかし、このぐらい収集した資料だけを基づいてこの観點を提出するのは根拠が不十分だと思われる可能性があるので、この観點を証明するために、先行研究を調べた。
以上の例からみると、50代の女性は自然に女性終助詞を使う場合が多い。一方、10代や30代の若い女性は女性終助詞をあまり使っていないけれども、ある特定な場面に限って、女性終助詞も使うということが分かる。
「ごめんね、青春」(2014)から収集した10代女性が使用していた女性終助詞の使用例を挙げる。
場面:海老沢は中井さん(10代)に告白する場面である。
海老沢:中井さん、俺、手伝うよ。だから、何でも言えよう。
中井:あんた、阿部さんとまだ付き合ってんの?
海老沢:えっ?いや、、、
中井: ちゃんと別れてないでしょ。
海老沢:ちゃんとするよ。
10代女性中井さんは疑問する時、「の」を自然に使っていた。
「ダメな私と戀してください」(2014)から収集した30代女性が使用していた女性終助詞の使用例を挙げる。
場面:黒沢の彼女晶(30代)は黒沢が喫茶店のマスターになることに猛反対する場面である。
晶(30代):こんなところで何してんのって聞いてんの。答えてよ。
黒沢(男):大聲出すなよ。みんな驚くだろ。
晶(30代):だったらちゃんと答えてよ。何してんの?何で電話出ないの?
30代女性晶は口げんかするとき「よ」と「の」を頻繁に使っていた。
「55歳からのハローライフ」(2014)から収集した50代女性が使用していた女性終助詞の使用例を挙げる。
場面:中米さん(50代)がお見合い対象と文通していることを親友尾山さん(50代)に打ち明ける場面である。
尾山(50代):そういう事か?きっとあんたの文通はそいつの母親に全部読まれてるよ。
中米(50代):そんな事は…?
尾山(50代):そうだよ?この國の男の?????率は我々の想像をはるかに超えるほど高いんだから?最近はその母親がまた恐ろしく長生きだからね?気を付けなよ?
50代の尾山さんは言い終わると、必ず終助詞をつけて、自然に終助詞を使っていた。
結論
前述したものを基づいて、以下のことが分かる。年を取る50代の女性は自然に女性終助詞を言い出す場合が多い。その反面、若い女性は女性終助詞をあまり使っていない。若い女性は女性終助詞をあまり使っていないけれども、ある特定な場面に限って、女性終助詞も使う。「ぞ」がもともと男性語として使用されていたが、今女性もこの男性言葉を使っている。現在の日本社會では、言葉で男女差を判斷するのがますます難しくなっているだろう。